ページトップへ

丸吉優眠館 - 店長ブログ

”睡眠革命”を読んで

1167195_470005343097024_195037130_o今週読んだ本です。おなじみ松岡書房さんからご紹介いただきました。
今まで睡眠の役割やその重要性についていろいろ勉強してきましたが、この本の内容はそのすべてに対して真っ向から否定する内容になっています。つまり睡眠は不要、進化した現代人にとって睡眠は無用であり眠らなくても良いと説いています。1984年に発行されたものなので現在の医学的、科学的見地からすると多くの面でこの説を否定せざるを得ません。ただ、一部の内容の正当性や睡眠不要の考えはなるほどと思う部分もあり、そういう意味で面白かったです。
元来、睡眠は生命体にとって捕食される可能性が一番大きい危険状態です。そのためゾウやキリンはほとんど眠りません。ところが現代人は基本的に睡眠中は生命が脅かされる危険はない状態なので、眠らなくても良いというものです。ではなぜ眠くなるかの問いに対しては、睡眠は文化的な余暇活動の一つで、今まで覚醒し意識して活動してきた中で、脳に無意識を欲する機構があり、その状態を求めて行動に移すことが睡眠で、その無意識を欲する以上の欲求がある場合、睡眠は不要となるとのことです。理屈で言えば、夜仕事のあとリラックスしていて、TVを見たり、自身の趣味をしていると、だんだん眠気が出てきて、趣味を楽しむ欲求より、歯を磨いて、パジャマに着替え、気持ちの良い布団に横になりたいという欲求が勝ると、おのずと睡眠のための準備活動をし、最終的に布団に入ると目的が達成され満足する。ただし、趣味や、やりたいことの欲求が強いと眠気も感じずその欲求をみたす行動をする。とのことです。確かに睡眠中も脳は活動しているので、この考えがすべて間違いとは言い切れません。年頃の娘が夜遅くまで帰って来ず、ふとんに入ってきちんと眠っていても、ドアの鍵を「カチャッ」と開ける小さな音で目が覚めることは考えられます。(笑)また、さらに睡眠時間はその日によって最適な時間は異なり、人によってもそれぞれ違うため、誰でも心地よい睡眠から目覚めたときは、身体を起こすことに対してたいてい不満を感じるものだとあります。これもその夜の気温や湿度も関係して、朝の起床は苦手な方が多いと思います。
一方とても参考になったのは、通常夢見睡眠であるレム睡眠は元来の種の進化としての名残であるという考えです。そもそもレム睡眠中は筋肉は弛緩し、体温調節はできず、心拍数は乱れます。これは爬虫類のような変温動物の睡眠と同じで、変温動物は自身の体温を調節できないため、短い時間で済ませないと周りの環境に左右され生命の危機にさらされるからです。人間はこの体温調節できない古いレム睡眠に、ノンレム睡眠を加えて一つのサイクルをつくる新しい睡眠に進化しているというものです。人間の赤ちゃんも母体の中で人類の進化を一通りして生まれると聞いたことがあり、さらに赤ちゃんは生まれてしばらくは一日のうちの半分をレム睡眠します。これは爬虫類の睡眠がいまだ残っており、ただこのままだと体温調節ができず生命が危険な為、注意が必要です。またレム睡眠時の脳波は覚醒時とほぼ同じな為、覚醒しやすく身の危険の回避に役立っています。レム睡眠中は夢を見ていますので、朝目覚めたとき夢を覚えていることが多いのは必ずレム睡眠で覚醒するからです。まだ何も知らない赤ちゃんのレム睡眠が多いのは、夢を見ているわけではなく、進化の過程なのかもしれません。
以上です。心理学者の先生だけあって前半はこれまた読み憎かったです。


2013年08月23日



             
丸吉オリジナルまくら ローズテクニー 丸吉オリジナル眠具

〒192-0053
八王子市八幡町11-1
TEL:042-625-1155
営業時間:10:00〜19:00
定休日:水曜日