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丸吉優眠館 - 店長ブログ

“熟眠できる本”を読んで

DSC_0004今週読んだ本です。ここ半年は、日本の睡眠研究の第一人者である井上昌次郎先生の本を立て続けに読んでいます。本の執筆日と読む時期は比例していないので感想内容は若干矛盾することがあるかもしれませんが、この本はとても簡単に書かれています。

本来生物は活動期と休息期があり、生きていく為に餌を取る活動をし、疲労した体を休め外敵から身の安全を守る休息期があります。この時の休息期が睡眠の原型ですが、現在用いられている睡眠を指すわけでありません。睡眠とは脳を持つ生命体で脳波によって定義されます。故に脳波の正確な診断ができない生物は脳を持っていても睡眠の状態が把握できず、睡眠様状態として区別されます。

では、我々人間の睡眠とはいったいどのようなことを言うのでしょうか。人の場合は高度に発達した大脳を休める行動が睡眠と定義されています。大脳は我々人間の人間らしい振る舞いを全般に司る脳の一部です。思考、記憶、感情、運動能力等は、すべて大脳が管理しています。良く脳はコンピューターといわれる時がありますが、この大脳がまさにコンピューターと同じ中央演算処理装置になります。非常に複雑で無限の可能性を持っている反面、熱に弱く疲労がたまると性能が極端に落ち、休息・回復が常に必要です。つまり大脳を休息・回復させることが睡眠で、睡眠不足の時はやる気が出なかったり、考えることが難しくなり、感情面でもイライラしたり、運動もうまくできません。

大脳が進化の過程で新しい部位に対して、大脳の下側に脳幹と呼ばれる古い部位があり、ここが生命体としての中枢を司り、呼吸、心拍、血液・リンパ液循環、ホルモン分泌など生命維持に不可欠な作業を休まず行っています。つまり脳は、眠る脳(大脳)と眠らせる脳(脳幹)と二つに大別され、脳幹が眠りをコントロールしているのです。(脳幹が休んだら死んでしまいます。)脳幹は生物時計と体温リズムによって睡眠を起こさせますが、大脳はその時の状況によってその命令を受け入れるか否かをお互いネゴシエイトしています。いくら脳幹が眠れといっても、やらなければいけない仕事があるとか、受験勉強があるとか、ましてや緊急時はその命令に従うわけにはいきませんし、遊びや余暇が楽しくて脳幹の命令を聞かない場合もあります。しかし、感情豊かに大脳のままにしていてはいずれ大脳がダウンしてしまいます。これでは本末転倒です。一晩二晩は大脳の無理が聞いても、いずれは大脳がダウンするので、QOLに維持には規則正しい睡眠活動が必要です。

そしてどうせ寝るなら良い睡眠と熟眠感、さわやかな目覚めが欲しいものです。人の眠りは浅いノンレム睡眠、深いノンレム睡眠、レム睡眠(脳波的には覚醒時と同じレベルを示し眠りとしては浅い状態)の三つからなり、その一サイクルが約90分ですので就寝時刻から90分の倍数で起床時刻を設定すると目覚めがし易いことは良く知れた事実です。しかし、熟眠とはどのような状態を言うのでしょうか。熟眠とは深いノンレム睡眠の時を指し、寝入りばなの最初のサイクルと2番目のサイクルにのみ出現する眠りです。(成長期では3番目のサイクルにも出現し、残念ながら高齢になると1番目のサイクルでもちょっとしか出現しません。)ですのでこの1番目と2番目の眠りのサイクルをきちんと取ることが熟眠を得ることになります。そして残りの3番目のサイクル以降は浅いノンレム睡眠とレム睡眠の組み合わせの眠りになり、そういう意味ではあまり必要のない眠りになります。

つまり、寝入りばなからきちんと眠れば、本来熟眠をしたことになるのですが、毎朝目覚めが悪いのはなぜでしょうか。これは上記の目覚めるタイミングが悪いことと、目覚めたにも関わらず、もう少し眠りたいという大脳の要求で二度寝をしてしまうからです。3番目のサイクル以降は浅い眠りで、大脳の休息はできているので、本来もう睡眠は必要無いにもかかわらず寝てしまうと、レム睡眠における筋弛緩状態の為かえってだるさを感じ、意識レベルが下がり余計ウトウトしだらだらした眠りのスパイラルに陥ってしいます。

熟眠を味わい目覚めをスッキリさせるには、自身の生命維持装置の脳幹に従い、休日でも平日と同じように規則正しく睡眠活動をし、あまり寝すぎず、活動期には夜の睡眠に影響するような居眠りをしないことが、健康睡眠生活になります。


2015年01月14日



             
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