人間は眠る、動物も眠る。食欲と同じように睡眠欲も生きていくために必要です。さらにはある動物実験で、餌を与えず普通に睡眠をとれせた場合と、餌は与えるが睡眠は取らせない場合を比べると、睡眠を取らせないほうは半月ほどでしんでしまい、解剖の結果脳が激しく損傷していたそうです。一方餌を与えないほうは弱りはするがなかなか死なない。このことから睡眠は脳をメンテナンスするためには欠かすことのできない生理現象ですし、高度に発達した人間の脳には睡眠は絶対欠かすことのできないもの…になっています。ところが睡眠そのものは同じ人間であっても地域や文化によって多種多様なスタイルが存在します。イスラム教徒の信者はコーランが枕元にないと安心して眠れない人が多いく、一方日本の女子大生は枕元に携帯電話を置く人が多いようです。コーランも形態も科学的には睡眠に必要ではないはずですが、前者は安心感という心のリラックス効果として、後者は翌日の寝坊対策としての備えとして眠りに就く際に必要なものになっています。また、多くに地域では夫婦は同じ寝室で寝るようですが、地域によっては夫婦別々の寝室でなければならない文化もあり、日本では赤ちゃんんを挟んで両親または母親が川の字だったり同室で寝ますが、外国では赤ちゃんは生まれてからすぐ、ベビールームで一人で寝かせる文化があり、さらには赤ちゃんに気を付けの姿勢のまま包帯のようなものでぐるぐる巻きにして寝かせる文化もあり、とうてい日本人には理解できないものもあるように、文化の違いとはそういうものです。眠るという生命体にとって無防備になるので命の危険にさらされる危険な状態をどのような道具(寝具や光や音など眠るまでと、眠っている最中と起きた時の状況すべて)を使うと良いのか、さらに一人が良いのか誰かと一緒が良いのかを考えることが睡眠文化の一つです。食文化は食べ物の材料を道具を使って調理し、誰と一緒に、どのような場面で食べると満足するかを考えたりしますが、それと同じ考えでこの睡眠文化が存在します。はたして人は良く活動して人生をエンジョイするために眠るのか、心地よく眠るために頑張って活動するのか、答えはでないかもしれませんが、この問題を考えていくプロセスが睡眠文化の研究になります。