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丸吉優眠館 - 店長ブログ

”睡眠障害の対応と治療 ガイドライン”を読んで

20130802今週読んだ本です。この本は睡眠障害を専門としない診療科の医師、医療機関で働く看護師、臨床検査技師および薬剤師、地域医療および職域医療における保健師の方たちが、睡眠障害を呈する患者に対して対処および指導が適切にできるようにと刊行された本です。現在の日本では5人に1人が不眠を訴えています。ただ一言不眠と言ってもその原因は多様にあり、患者ひとりひとりの状況を正しく把握し、それを基に正しい知識の上で、正しい対処法が求められます。万が一そのプロセスの一つでも間違うと不眠の解消がかえって…更なる不眠を引き起こす場合もあり、慎重に対処、処方をすることが大事です。
不眠症に対する処方の一番大事なことは、患者と医師が良好な関係を築くことが大切です。患者の多くは「睡眠薬は危険」とか「一日8時間寝ないと死亡率が上がる」といった睡眠にやその治療に対し間違った情報を持っている場合が多く、また不眠症を呈する患者は性格的にまじめな場合が多いため故お互い良好な関係が築けないと、せっかくの治療が無駄になってしまいます。患者を診る医師が、患者の話をよく聞くことで患者の精神的な不安をまず取り払うことが重要です。
不眠の治療に際し、まずは不眠症をいくつかに分類します。
1、精神生理性不眠症・原発性不眠症
  臨床症状:入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害
  鑑別診断:誤った知識故、「寝なければ健康を害する」といった気持ちによる不眠の場合は正しい睡眠の知識をレクチャーする。睡眠時間はひとそれぞれ、長くても短くても日中眠気を感じず快活に生活できれば
       それで大丈夫。不適切な睡眠習慣(生活習慣)の場合はそれを正す。
       精神疾患(うつ病、統合失調症)は睡眠に関する精神療法や認知行動療法などの非薬物療法か薬物療法。
2、薬原性不眠
  臨床症状:上記不眠症と同様、日中の倦怠感や抑うつ
  鑑別診断:抗パーキンソン病薬、降圧薬、ヒスタミン受容体遮断薬、ステロイド製剤等による不眠症の誘発が考えられる場合は医師と相談の上、服薬を減量または止める。または専門医の指導の下薬物療法適用。 3、身体疾患による不眠
  臨床症状:呼吸器系、心血管系、消化器官系、筋骨格系疾患などによる不眠
  鑑別診断:慢性閉塞性肺疾患の場合は睡眠ポリソムノグラフなどを用い閉塞性睡眠時区呼吸症候群の合併の有無を確認後、薬物量を用いる。 気管支喘息の場合は気管支拡張薬などを用いる。 循環器疾患の場合も
       睡眠ポリソムノグラフで睡眠時無呼吸症候群との合併の評価を行い有の場合CPAP等を用いる。 腎疾患の場合はレストレスレッグス症候群や周期性四肢運動障害および睡眠時無呼吸症候群を合併し
       やすく、レストレスレッグス症候群の場合は薬物療法の有効性が低く腎機能低下による睡眠薬の血中濃度の上昇や半減期の延長が生じるため投薬には注意が必要です。 疼痛を伴う疾患の場合は鎮痛剤や
       睡眠導入剤の耐性や依存性が出現しやすい為、処方には注意する。 更年期障害に伴う不眠の場合はホルモン補充療法が不眠症状の改善に効果をもたらす一方、発がんリスクを伴うため。ベネフィットと
       リスクを共に考え対処する。 アトピー性皮膚炎での不眠の場合は鎮静作用を持つ抗ヒスタミン薬が適切で安全。
4、精神疾患による不眠
  臨床症状:ストレスによる一過性不眠の場合もあるが、気分障害、不安障害、統合失調症がある。
  識別診断:患者への問診によりストレスの原因を突き止めることが重要。不眠が長期間持続している場合は精神疾患の存在を念頭に置きながら問診、すでに投与されている可能性のある向精神薬の副作用を考慮、
       必要なら精神科に依頼。
5、脳器質性疾患による不眠
  臨床症状:覚醒維持機構の機能不全によるせん妄、生体リズム異常、脳機能障害、パーキンソン病
  識別診断:せん妄は原因となる薬剤がはっきりしている場合は原因の排除で解決するが、原因不明の場合、投薬は慎重を期する。 生体リズム以上の場合は高照度光療法が最適。一方で運動量といった生活指導も
       効果的で場合により薬物の投与もある。 脳機能障害の場合はレム睡眠行障害がみられる場合は投薬による解決を、睡眠時無呼吸症候群の場合はCPAPの使用または外科的手術もある。           以上、大まかに睡眠障害に対するプロセスを記述しました。心当たりがある場合は、独自で解決しようとせず、専門の医師に相談することでQOLの向上に努めてください。

2013年08月02日



             
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