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丸吉優眠館 - 店長ブログ

”睡眠障害の基礎知識”を読んで

20130426今週読んだ本です。睡眠障害とは、主に睡眠異常、睡眠時随伴症、内科・精神科的睡眠障害の3つに分けられます。基本的不眠が圧倒的な症状ですが、過眠も一部見受けられ、共に社会生活に支障をきたすものです。まず、このような睡眠障害の背景には様々な要因が存在し身体的要因、生理学的要因、心理的要因、精神医学的要因、薬理学的要因の5つが挙げられます。さらにこれらの要因は独立して睡眠障害を引き起こしている場合よりもそれぞれが複雑に絡み合って睡眠障害を引き起こしている場合の方が多く、それ故非常にデ…リケートな対処が必要になります。  特に睡眠障害と精神疾患の関係についてはうつ病の危険因子としての疫学研究が繰り返し行われています。ある調査では不眠を訴える被験者の中にうつ病の患者がどれだけいたかを調べたところ、その有症率は非不眠症郡の2.7%に対して31.1%と非常に効率な結果でています。さらにその後の3.5年ファオローアップ期間における調査では、非不眠症郡では4.6%だったのに対して、不眠症郡では15.9%と高率なうつ病発症率が確認されています。つまり、現不眠症患者の3割がうつ病を併発しており、尚且つ、現在うつ病でなくてもその後うつ病を発症する確率が非不眠症患者に比べて4倍も高いうつ病発症のリスクが結論付けられています。それ故、不眠治療に際し、うつ病を念頭に置いた鑑別診断を行うことがとても重要です。  頻度の多い精神疾患に伴う睡眠障害として、統合失調症、うつ病、躁うつ病、季節性うつ病、パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害などが挙げられます。統合失調症では「周りから見れれているのではないか」という被注察館、「目に映るものが今までと違って見える」気づき亢進、「自然と次々に考えが浮かんでくる」自生思考が特徴的で、そのような不安感から緊迫困惑状態を呈し、さまざまな睡眠障害が引き起こされます。躁うつ病では気分の高揚が多く、本人も気づかない場合が多い。気分高揚による早朝覚醒の頻度が過ぎると睡眠時間の減少や、周りの家族に及ぼす影響が悪い方向に向かう。本人に正確な情報を伝え薬物による治療を試みる場合が多い。季節性うつ病は最近メディアでも良く耳にしますが、特に冬季の日照時間の減少による体内時計の低反応が原因で、うつ状態や過食、過眠が引き起こされます。パニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害は日常生活に影響を及ぼす程の不安を呈する疾患で、これらの障害により特に夜間の強い不安感、恐怖感が睡眠障害を引き起こします。外傷後ストレスでは、追体験(フラッシュバック)が睡眠中の悪夢として現れ、それ故過覚醒状態が続き不眠として健康を害します。さらにこれらの障害による睡眠障害がうつ病を発症することが少なくないため、治療法とし抗うつ薬と睡眠役、抗不安薬の組み合わせによる薬物療法が多い。  以上、睡眠障害はさまざまな精神疾患と複雑に絡みあっている場合が多いにも関わらず、臨床において睡眠障害のみで精神科の受診を行わない場合が多いようです。その為プライマリケアの時点で、精神疾患の可能性を常に念頭におき治療を進めることが大切です。現在の社会では24時間眠ることなく生活が営まれています。それ故、過重労働、交代勤務、生活習慣病などさまざま事が睡眠に悪影響をもたらしています。利便性を削って睡眠時間を確保する社会にすることは現実的に難しいので、せめて睡眠の正しい知識を身につけ、利便性と睡眠の両立を行うよう努力すべきですね。

2013年04月26日



             
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